Part 6


【ローズマリー属の分類−その1−】

ロ−ズマリ−は大きく2種に分類されます。
  1,Rosmarinus officinalis L.
  2,Rosmarinus eriocalix Jordan & Fourr.

1は地中海沿岸から小アジアに広範囲に分布しており、それぞれの生育地域に適応した変種があります。
2はスペイン南部からアフリカ北部の比較的限られた地域に生育しています。
ロ−ズマリ−の分類という場合、これらの形状または形態、つまり葉の大きさ、葉形、花色、樹姿、また生理的耐寒性の相違などで1、2の変種を分類することをいう。

今回はR.off.var.angustifolius系について。
この系統に属する変種として代表的な品種は3種あり、
  1,Pine-scented rosemary
  2,Benenden blue
  3,Miss Jessup's Upright
共通の特徴として細葉−極細葉。立性タイプで耐寒性が強く強健であることが あげられます。
花色はブル−から淡紫色。香りも強いものが多い。
バインだけは耐寒性弱く、半立性、濃いブル−花とやや違いを見せていますが 形態は良く似ています。
これらの近縁種に、Fastigiatusがあります。

Fastigiatusと言うのは、パインのちっちゃいようなものです。
これも日本にはありません。幻のローズマリーです。NZには無いそうです。イギリスにも無いそうです。
もっとすごいのが、実は前述のR.eriocalixです。
これの香りはかなり強烈らしく、ヨ−ロッパ方面にフランス料理やイタリア料理の 修行に行ったことのあるシェフ(シェフ見習い?の人)たちが出会って、衝撃を受け、ハ−ブ(エルブ)に対する認識を改めさせられた、という話をたびたび聞かされます。



【ローズマリーの花色について】

ロ−ズマリ−の花弁に含まれる色素はシアニシン系のアントシアニンです。 そのため、花の色は赤紫、紫、青、白を示します。 ちょっと変わったところでは、邦版「ハ−ブ図鑑110」(レスリ−・ブレンネス著のThe complete book of Herbs)に「深紅」の花を咲かせると訳されているソイヤ−ズセレクションと言う種類が載せられています。 しかし、原書ではmauve-blue flowerとなっており、mauve=ふじ色=赤紫ですから濃い紫色系統の花色と考えるのが正しいでしょう。 さて、最も色素の少ないものは白となるわけですが、白花の種類も何種類かおります。 RHSのプラント・ファインダ−でも、albiflorus、Lady in white、sissinghurst whiteが掲げられています。 国内でもR.officinalisの変種、Albiflorusやホワイト・コンパクトなどが売られています。 ロ−ズマリ−・ブックでは、Albiflorusを単にホワイトと表記しています。

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