▼ パラレルスネブト : Aegus parallelus |
僕の飼育環境での難易度 : ▲▼▲▼△(難易度4)
幼虫を確認できれば、飼育は比較的楽に出来ますが、産卵させるまでが大変なネブトクワガタです。 僕も産卵を成功させるまでに、とても苦労した事を憶えています。 ブリードで50oUpが狙えるネブトの大型種です。 ☆ペアリング ワイルド虫を購入した場合、ペアリングは終わっている可能性が高いですがネブトの場合、ワイルド♀個体が 産卵しない事が多々ありますのでブリード虫をお奨めします。 (残卵無しの可能性が…) 小型個体でしたら僕の経験上、羽化して数週間しか経過していない紅い個体でも盛んに自然交配してましたし幼虫も確保できましたから、比較的早い時期から可能だと考えられます。 大型個体になりますと自力で繭玉から出てくるか、完全に固まってからの方が無難です。(羽化後2ケ月が目安) 僕の場合、大型ヒラタやノコギリ♂個体でのペアリング目安は、後食をした後、1週間以内で、ドロッとした大量の排泄物(白〜乳白色)をしますので、ソレを確認できたらペアリングOKだと考えています。 ネブトの場合、後食後の排泄物の確認が、ナカナカできませんので時間的に考える方法しかありません。 外骨格装甲が完全に固まった後もネブトの場合、紅みの有る個体がいますので色で判断するのはキケンだと考えます。 また、大型個体はプラティオドンほどではないにしろ♀殺しをしますので注意が必要です。 ☆産卵 ココが最難関で、少しでも♀個体が気に入らない環境だと全く産卵しません…とてつもなくグルメです…_| ̄|○ 必要なモノは、微粒子の無添加発酵マットと良く朽ちた産卵材です。 ココで言う産卵材は、市販のホダ木でも良いのですが、完全を期す為にはシイタケ菌が入っていない天然の産卵材を山から拾ってくる方が無難です。 市販のホダ木でも産卵しますが、奴らは僕の感感覚でシイタケ菌をどうも嫌っています。 シイタケは日本固有のキノコであり海外では、ほとんど見ることがありません。 (アジア地域(主に中国)へ椎茸生産のため輸出されているモノをのぞく。) 市販のホダ木を使用する場合は、綺麗に皮とオレンジ色のガリガリとコマ菌を取り除き高温殺菌をしてからの方が、よりよい結果が出ると僕は思います。 天然の産卵材の場合は、カワラ材やニクウスバ材のように菌糸力が非常に強いモノは避けた方がいいです。 (菌糸での幼虫飼育は特殊な方法を除いてネブトでは出来ません) 産卵材の話ばかりしていましたが、本当に必要なのは埋め込みで使用する微粒子発酵マットです。 産卵材の主な役割は、♀が産卵する為の足がかりと考えて下さい。 もちろん、材が最良のモノなら材にも産卵します。 微粒子マットで僕の経験の話をしますと現在販売されている市販のネブトマットでは、まずパラレルスは産卵しません!ネブトマットのほとんどが国産ネブト用のマットで外産ネブトには合わないモノが多いと感じます。国産ネブトに近い種類の外産ネブトなら楽々産卵させることが可能ですが、パラレルスの場合よほどマットの実績を調べてから購入しないと無駄に終わってしまいます。僕の場合4g4500円の高級ネブトマットを使用しても散々たる結果に終わりました…(T-T)/ (固詰めしたら小プラケ一杯にもならない微粒子マットなのに…) パラレルスの場合、国産ネブトの累代に使用する水分量が多くて発酵が進んだフレークより、若干乾燥気味で発酵が、あまり進んでいない微粒子マットを使用すると良い結果がウチでは得られています。 (無添加1次発酵微粒子マットを使います) それでも人間が見て良いマットでも彼ら彼女らが気に入ってくれなければ失敗です…そこで、セットを作ってから2〜3日の間、様子を見て♀が潜っているようでしたら1ケ月ほど様子を見て下さい。 ♀が潜らなければ残念ながら、その産卵セットは失敗ですので再度チャレンジして下さい。 気に入った場所を発見したならば、彼女らは恐ろしい数の卵を産んでくれますが、普通10〜20個産んでくれれば成功だと思って下さい。 ギラファノコギリの幼虫を飼育されていれば、その食痕をマットに混ぜてみて下さい!僕の所ではカナリの確立で産卵成功していますよ!! ☆幼虫飼育 幼虫が得られれば勝ったも同じです!初令をクリアしてしまえば後は、ひたすら幼虫が強いのでマットさえ合っていれば楽に45oUpの成虫が狙えるはずですよ! 大型を狙わない場合は、産卵時に使用したマットorフレークで十分、成虫まで育ちます。 僕の場合、初令時には、ファーブルタウンさんのネブトマットを与え2〜3令時には、ドルクスキッズさんのキッズフレークを与えて育てています。 (現在、僕の環境では、この組み合わせがベストです) (マットの水分量は購入時から変えない方が、僕の飼育環境では良い結果が得られています) 初令は200tくらいのプリンカップで育て、2〜3令は800tほどのプリンカップで育てています。 現在、最大個体は48oですので、あまり間違った飼育方法では無いと思っています。 エサ交換は、この200tから800tへ移す1回で足りますが、中にはもう一度エサ交換が必要な個体もいます。 ところでナゼ、ガラス瓶でなくプリンカップで育てているかと言いますと、ウチの飼育環境ではガラス瓶で羽化するよりもプリンカップで羽化した方が、羽化不全が圧倒的に少ないからです。 理由は分かっていませんが、羽化不全が続いている方は一度プリンカップで飼育されてはいかがでしょうか? 暑さにも寒さにもある程度適応してくれるので幼虫飼育は比較的楽な方だと思います。 ♂個体は蛹化時に、とても大きな繭玉を作りますので多頭飼いには不向きな種類です。 僕の飼育環境下での羽化個体は♂に比べ♀の方が倍以上羽化するので幼虫は、多めに飼育されることをお奨めします。 今年の羽化個体数 ♂:3 ♀:9 でした。 初令はとても小さいですので十分な注意を!! ☆成虫飼育 成虫の飼育は、マットが泥にならない程度の水分量(多め)で比較的長生きします。 ウチの環境では新成虫の場合、1年は楽に生きていますので水分量さえ気を付けていれば簡単な種類です。 しかし、注意しなければいけない点はエサです!たまにエサ食いが悪いとか、後食しないで死んでしまったとか聞きますが、ネブトの種類のほとんどは腐ったエサを好みます!腐ったエサと云うと聞こえが悪いのですが、高タンパクゼリーの発酵が進んだモノを好んで食べますので、ツーンっと、発酵臭がしてきても新しいエサと交換しないで全部食べきるまで放置しておいて下さい。 (エサが減ってきたら補充するって感じで大丈夫です) ♀や小型個体は、ゼリーカップと一緒に捨ててしまう可能性が高いですので気を付けて下さい。 飼育するなら高湿度、産卵させるなら少し乾燥気味と憶えておけばパラレルスの飼育は大丈夫だと思います。 ♀殺しもありますのでペアリング以外は、♂♀別々に飼育した方が無難です。 |
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