私,ダイゴがティガって知ってる

■ウルトラマンティガ■

ホントは「私」ではなく「あたし」である。

1997年は「ウルトラマンティガ」にハマった大人がずいぶんいた。僕もその一人だ。ウルトラマン生誕30周年記念作品として久々にブラウン管に登場したこの新しいウルトラマンは,ストーリーの進行に伴ってどんどんテンションを上げ,ついに偉大な初代や伝説のセブンを越えた。ウルトラシリーズはセブンまで,とかたくなに信じていた僕にとってもまさかそれを越える新たなウルトラマンに会えるとは思ってもみなかった。幸福な誤算である。

なかでもヒロインのレナ隊員はファンにもスタッフにも大切に育てられたおかげで歴代ウルトラシリーズの女性隊員中紛れもなく最高の人気を勝ち得るまでになった。僕もアンヌ隊員以上のヒロインが現れようなどとはとても信じられなかったのだが,現に新たな伝説は誕生したのである。

あたし,ダイゴがティガって知ってる

その彼女の衝撃的なセリフがこれだ。主人公ダイゴの正体に薄々気づいている節はあったものの,「次回予告」でいきなりこのセリフを聞かされたファンは驚いたものだ。しかもこのセリフは当の本編では使われず,予告編でのみ使用されたといういわくつきのものだ。空前の盛り上がりを見せた最終回3部作に突入するその予告編である。まさにこれ以上はないタイミングで投下された爆弾であった。

翌週固唾をのんでオンエアを見守った我々はティガ最高傑作に遭遇する。第50話「もっと高く〜Take Me Higher〜」はウルトラ史上に輝くすばらしい傑作であった。

さて,問題のレナのセリフであるが,LD第7巻サイド3のチャプター4で聞ける。第49話の後に収められた次回予告である。最終回はここからすでに始まっているのだ。

結果として僕はこの最終回3部作,数十度もビデオ,LDを繰り返し視聴し,サントラCDを聞きまくり,V6のアルバムまで買って(ティガのテーマソング最終回バージョンが収録されていたから)輝けるものたちの伝説に夢想を馳せているのである。

ティガはまことに美しいウルトラマンだった。

ウルトラマンティガ VOL.7 BELL-990
発売元(株)バンダイビジュアル