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Serialization: A Stage Of Rush

はじめに

Rush はライヴ・バンドです。Rush の情報に乏しい日本でもひとたびメディアに取り上げられれば必ずそういわれているのである程度はご存じでしょう。
　今までにでているオフィシャルのライヴ音源とライヴ・ヴィデオからもそれは納得できると思います。
　しかし全アルバムを聴き終えたあと、なんだか物足りなくなりませんか？「あの曲をライヴで聴きたい！」と。また、「この曲はライヴでできるのか？」というような疑問ももたれるかと思います。
　そこで、このコーナーでは「私の知る限りの」Rush のライヴに関する情報をまとめ、掲載していきます。

基本的なポイントは；

1. 各アルバムに伴うツアーごとの基本的なセットリスト
2. 各曲のステージでの演奏の有無
3. ライヴにおいてアレンジの異なる楽曲の紹介とそのアレンジについて

の３点です。そのほかライヴに関するヒストリー的な事柄についてもわかる範囲で加えていきます。

各ツアーにおけるセットリストからは各時期におけるバンドの実像が見えてくると思います。
　例えば、アルバムだけを見ていると PeW の頃などもはや組曲指向からコンパクトな楽曲指向へと変化してしまったような印象を受けますが、ステージでは「これでもか」の組曲攻勢であったことがわかります。

２番の各曲のステージでの演奏の有無は、私がまず気になったことです。みなさん気になりませんか？

３番のアルバムとは違うアレンジについてですが、やはりライヴとアルバムは別物、違ったアレンジも聴いてみたいですよね。特に Rush の場合構成のルーズな曲は少ないですから，その構成、アレンジが違えばかなり違った印象になります。
　また、彼らのライヴの特徴のひとつである「巨大なメドレー」も３番にはいるでしょう。これがとってもおもしろいのです。
　さらに、PeW から PoW までは、アルバム発表前に「pre-」ツアーと銘打った新曲を試すライヴがありました。そこで聴けるアレンジの煮詰まりきっていない曲の数々がまたマニア心をくすぐります。

基本的な情報は Visions: the official biography 、 雑誌のインタビュー記事、ツアーパンフレット、そしてブートレッグから得ています。ただし、ブートレッグの日付、場所などの情報は伝言ゲームで伝わってきていますので、検証が重要です。
　ここに掲載する情報は可能な限りの検証を行っているつもりですが、完全ではありません。特に70年代のツアー日程に関してはまだまだ謎の部分が多く残っています。アメリカの The RUSH / NMS Home pageにはツアー日程のリストがでていますが、あれとて不完全なのです。間違いも未だ訂正されずに残っています（あそこにはばく大な情報がありますが、基本的に（訂正などの）更新が遅いです）。

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Rush は今までに３枚のライヴアルバムを発表しています。

• All The World As A Stage
• Exit...Stage Left
• A Show Of Hands

これらのアルバムはご存じの通り、各時期の総括的な意味、つまりベスト盤的な色合いが濃く、本来のライヴのセットリストに沿ったものではありません。メンバー自身、ライヴアルバムをベスト盤ととらえている、という発言をしています。
　このため実際にはライヴで演奏されていたにも関わらず、収録から漏れてしまった曲が多数存在します。
　なかでも（ライヴアルバムを区切りとした場合の）第二期のステージでは Exit...Stage Left (以下 ESL）になぜ収録されなかったのかわからない曲が多く、しかもそれらの曲に人気があるため Bootleg でもその時期のものの人気が高くなっています。
　ところで、ラッシュのシングル盤というと、B 面もほとんどアルバム収録曲でありあまりおもしろくないのですが、実は "New World Man" のシングルの B 面は "Vital Signs" のライヴ音源が収録されており、これはこのシングルでのみ聴くことのできるライヴ音源です。
　この音源は ESL の編集時に一緒に作られたのですが、収録されずに余ってしまったものでした。

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今までにリリースされているライヴ映像は

• Exit...Stage Left
• Grace Under Pressure
• A Show Of Hands

の３種類です。ただし、A Show Of Hands には二種類あって、アメリカ盤の初回 LD のみ "Lock And Key" を含んでいます。日本盤の LD は残念ながらアメリカ盤ヴィデオと同じ構成でした。
　しかしヴィデオクリップとして製作された映像のなかにもライヴ映像があります。いくつかは上記のライヴ映像を編集したものですが、実際にライヴでとったクリップが

• "Circumstances"
• "The Trees"
• "La Villa Strangiato"

の３本です。非常に人気の高いこれら３曲が実はライヴのクリップとして放映されていたのです。ただし最近のアメリカやカナダでのラッシュのクリップ特集などでこれらが流れることはなくなってしまいました。

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普通日本でブートレッグというとブート LP, CD を指すようですが、ここでは主にテープでのみ出回っているものを指します。単にライヴ音源、といったときも同様です。
　もちろん LP, CD で出回っているものも参考にしていますが、たいがいこれらはテープ版より不完全であり、さらにはエディットされていることもしばしばです。
　もともとこれらブート LP, CD はテープで取引されているものから作られているのですから、テープの方がより完全であるのも当然です。ただし、90年代に入ってからのブート CD は業者が直接録音し、それをプレスすることも多くなったので、テープでは出回っていないものであることもよくあるようになりました。

さて、Rush のブートレッグですが、'98/11 現在900以上の音源が確認されています（注：私が確認している数です(^_^;))。
　今までに Rush が行ったショウの回数が約1300回ですから、実に３分の２以上のステージが記録として残っているということになります。

ただし、80年代中期までのブート存在率（実際のショウの数に対するブートの数）はそれ以降とは比較にならないほど少ないです。特に A Farewell To Kings Tour までの音源は各ツアーそれぞれで数えるほどしかなく、同時期のショウとの比較などができないため、情報として不正確になりがちです。

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テープで出回っているライヴ音源は例えば私のリストのようなかたちのものを相手と交換し、トレードすることによって手に入れます。
　が、手に入れてからよく聴いてみると実は記載された日付とは違うこともしばしばです。これは、このような情報が伝言ゲームによって伝えられていることが原因です。
　もちろん伝言ゲームはご存じですよね？
　アメリカの強力なトレーダー（ライヴ音源などのトレードをする人のことです）とこの手の話をしたときもちゃんと "Message Game" で通じました。
　ともかく、日付、場所などは相手のリストを鵜呑みにはできません。そのために必要になってくるのが検証作業です。

ではこの検証とは実際にはどういう作業なのでしょうか？ちょっとこのページの主旨からはずれますが、重要なので。

まず最も重要なのが MC を確認することです。Geddy の場合、最初の数曲が終わって初めて MC をするときに必ず

といいいます。 XXXX には Location, つまり地域名が入ります。時にはそれに続けて Venue, つまりライヴを行っている場所の名前が入ることもあります。それを確認することでどこで行われたライヴなのかがはっきりします。同じ Venue で複数回のショウが行われた場合はこのあとに

という MC がはいることがあるのでそれで確認します。XXXX には 1st, 2nd などが入ります。ただし、これが全くないこともあります : ( それで有名なのが September,'83 の Radio City Music Hall, New York City, NY のショウです。全部で５回あったのですが、それらの収拾がついていません.... （いま、そこの確認に挑戦中です）。
　さらに Diffelent (Alternate) Recording という、同じ日を複数の人間が録音した場合の確認もありますが、そこまでいくと全く関係のない話なのでそれはまたいずれ。

何にせよ、このような作業によってブートレッグの素性がはっきりします。世の中にはこれを＊全く＊しないトレーダーが数多くいるため、小学生並みの伝言ゲームになっています。トホホ...

ただし、この確認はツアー日程がわかっていないとできません。それで、ツアー日程表を参照するのですが....

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Rush のファンによる最大最強の www site, The RUSH / NMS Home pageには重要な情報が山のようにあります。全部を見るには相当の時間が必要でしょう。そしてその中のひとつ、Tour Date について。

断っておきたいのは、このリストはファンのもつ情報を集積した、ファンによって作られたリストである、ということです。そのため、不正確な部分があります。したがって、このリストを使って検証するのは矛盾を含んでいることになってしまいます。しかし正式なリストが発表されない以上これ以上のものは望めません。ですから情報収集し、適宜修正していくより他ありません。

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　Rush の現在手に入る唯一の公式記録です。発行が '88 のため、それ以降の情報はありませんが、そこまでについては驚異的な情報量があります。メンバーやクルーの証言をもとにしているので、その信頼性は抜群です。

残念ながら絶版になってしまったそうです。入手するには www 上の本屋（もちろん海外の）や、国内の輸入本を扱う店の店頭に残っているものを探すしかないようです。

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日本の雑誌にもときどきインタビューは載りますが、基本的に海外の雑誌を参考にしています。
　古いものは当然入手できませんので、The RUSH / NMS Home pageの Articles / Interviews のコーナーに掲載してあるものを読んでいます。

なお、輸入雑誌を扱っている本屋が近くにあれば、Bass, Drums 専門誌をこまめにチェックしましょう。非常にマニアックなインタビューなどが掲載されています。

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これもThe RUSH / NMS Home pageの The Tourbooks のコーナーを読んでいます。Neil のコメントが大量に記載されています。各アルバムのレコーディングの裏話など、非常に興味深いです。
　いずれ全部集めたいのですが...

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